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2021.11.10
こんにちは。
革製品修理のleather repair sincera(シンセラ)です。
今回は、コバ修理についてのお話です
以前にもコバの修理方法についてUPしましたが
今回はさらに深掘りしてコバの重要さと修理についてご案内したいと思います。
まず、コバとは?
コバとは漢字では「木端」と書き、その由来は裁断面(切り目)が木の切れ端に見えることからだそうです。
コバは製品化の際、職人の手により綺麗に整えられていることが一般的です。
そして、耐久性の低い部分なので、美しさと耐久性を備えるために「コバ塗り」という処理をします。
※“コバ塗り”した状態ををそのまま“コバ”と呼ぶことが多いです。
コバ塗りは
塗る→磨く→乾燥 塗る→磨く→乾燥
をひたすら繰り返すことによって完成します。
コバがなんで大事なの?
次に、なぜコバが大事なのかについてです。
コバを裁断したままの状態にしておくと、革の繊維がほつれてしまい
革と革の貼り合わせ部分が割れてしまったり、黒ずんだりしてしまいます。
ですので、コバ塗りを行い耐久性をあげる必要があるのです。
↑の写真のように、コバが剥がれて際断面が剥き出しになり
貼り合わせ部分が割れているのがおわかりでしょうか…?
このような状態だと見た目も美しく無いですし耐久性的にも危険信号です!
繊維の糸などがほつれてぴょんぴょん飛び出たり…
コバは想像以上に製品を傷から守っています!
(車で言えばバンパーのような役割でしょうか)
コバ塗りの方法
コバ塗りは最初にお伝えした通り
塗る→磨く→乾燥 塗る→磨く→乾燥 をひたすら繰り返すことによって完成します。
作業自体は単調で簡単そうですが、フラットなコバを作るのは意外と至難の技です。
以前にUPした記事を引用すると…
①まず最初に残っているコバをカッターで剥がしていきます。
\ 慎重に・・・ /
\ 綺麗に取れました! /
②次に剥がしたところをフラットにするためにスポンジペーパーで研磨します。
③フラットになったら、専用の塗料と液剤を混ぜてコバの素をつくります。
\ コバの素 /
④塗ります
⑤塗ったらドライヤーで乾かします。
⑥またまた研磨します。
(何度も何度も繰り返し…)
⑦完成
このような流れで修理していきます。
いかがでしょうか?
コバは普段あまり注目されることのない部分ですが、
コバが綺麗だと製品自体の表情が引き締まって光沢も加わり美しく上品に見えます。
どれだけ表面を綺麗にしていても、コバが傷んでいれば革製品の本当の美しさは発揮されません。
「輪郭がぼやける」といったイメージでしょうか。
逆に、コバが綺麗であれば、革の持つ本来の美しさを楽しめるということです
ハンドル部分や角など、長く使用する中でダメージを受けやすい箇所を中心に
定期的に剥がれなどがないかチェックしていただけるとよろしいかと思います
実は、ネットで検索するとご自身でコバ塗りができる塗料なども販売しています。
◆コバコート
Amazonや楽天で1,000円前後で購入できます。
方法などは、色々な方が記事をUPしているのでぜひ参考にしてみてください
しかし、市販のものは色がベーシックなものしか用意がされていないので
微妙なニュアンスのお色であったり、元の色と全然違うのは避けたい方は
店舗へご依頼いただくのがおすすめです。
さて、最後に最近ご依頼いただいたコバ修理のビフォーアフターをご案内したいと思います!
coach(コーチ) レザートートバッグ 茶
こちらのお品の全体のクリーニングとハンドル部分と鞄口のコバの修理依頼でした。
Before |
After |
特にダメージが大きかったのはやはりハンドル部分でした。
手に持ったり肩にかけたりとストレスがかかりスレやすいところなので致し方ないですね…
鞄口のところは、剥がれきってはいないけれど、剥がれそうに浮いていたため
全て除去してコバ塗りし直しました!
クリーニングも、溝部分に汚れが詰まっていたので丁寧に掻き出して綺麗になりました
鞄全体のお色もワントーン明るくなって素敵なブラウンが蘇りました
コバ修理により強度もUPしてまた長く使っていただけると嬉しいです。
ご依頼ありがとうございました。
最後の最後に
コバ補修は乾かす時間なども必要なため
大きさなどにもよりますが、通常ご依頼いただいてから〜3週間ほどお時間を頂戴します。
しかし、普段使いしているお鞄など、
「早めに手元に欲しい!」などご要望があれば遠慮なくご相談くださいませ。
スピード施工などのオプションサービスもあるので
なるべく早めにお届けできるように納期を調整することも可能です。
ぜひLINEやメールからお気軽にお問合せください